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Lover Awakened/J.R. Ward

Lover Awakened: A Novel Of The Black Dagger BrotherhoodLover Awakened: A Novel Of The Black Dagger Brotherhood
(2006/09/05)
J.R. Ward

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Black Dagger Brotherhoodシリーズ 3。
何度も絶望の淵に沈みかけ、紆余曲折の果てに実を結ぶ愛。初々しい芽を摘み取られた恋。真っ二つに引き裂かれた連理の枝。双生児は300年の時を経てついに心を通い合わせ、息子は行方不明になった父を慕いつづける……。
愛はさまざまな形をとり、人々を(ヴァンパイアだけど ^^;)残酷なまでに傷つけ破壊しますが、癒しと新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれるものでもあるのです。
現代 パラノーマル
まほろば的評価 ★★★★★★★★★★

主役、脇役ひっくるめて怒濤の人間ドラマ(ヴァンパイアだけど)が展開します。シリーズ中、最初の大きな山場となる巻ではないでしょうか。
J.R. Wardのヴァンパイアの世界の概略、そのほかの登場人物については"Dark Lover" "Lover Eternal"をどうぞ。

【主な登場人物】
ザディスト
ヒーロー。誇り高き戦士の家に生まれたが、生後7ヶ月のときに乳母にさらわれ、家族から引き離された。誘拐事件の2年後、乳母は死亡。売り飛ばされて奴隷に。transition直後に<血の奴隷(Blood Slave)>にされ、双子のフューリーに助け出されたときには、身も心もぼろぼろになっていた。
自己嫌悪感が非常に強く、被虐趣味を持つ。また、他者と正常な関係を築くことができず孤立。奴隷だったため教育を受けておらず、字の読み書きができない。
ヴァンパイアの女性から血を飲むことを拒み、もっぱら人間の娼婦を選んで血を飲んでいるため、常に栄養失調状態で体はガリガリ。
額から鼻、頬、唇にかけて大きな切り傷。頭は坊主刈り。人相はなはだ悪し。^^;
反面、ベラが落としたネックレスを密かに身につけたり、「けがが早く治りますようにとお祈りしてたのよ」とメアリーに言われて真っ赤になるようなかわいい面や、拉致事件でめちゃめちゃになったベラの家をきれいに掃除したり、飼っていたさかな(熱帯魚かな、金魚かな?)に餌をやったりするマメな面もある。
また、拉致で傷ついたベラを看護する様子や同世代のヴァンパイアからいじめられるジョンを庇う様子からは、意外に世話好きな性格が窺われる。

ベラ
ヒロイン。ザディストの世間の評判の悪さ(笑)と態度の悪さ(爆)に目を曇らせることもなく、彼を理解し、愛し、周囲にもザディスト本人にも「わたしはザディストを愛しています」とはっきり意思表示する強い人。(人じゃなくてヴァンパイアだけど)
大怪我を負って血が必要なのに飲もうとしないザディストに対して、「わたしの血を飲みなさい。それがいやなら勝手に死ぬといいわ!」と啖呵を切る、気風のいい姉御でもあります。

カトロニア(Catronia)
ヴァンパイア貴族だが、長きにわたってザディストに性的虐待を加え、彼の意に反して血を吸いつづけた変態女。
のちにザディストはカトロニアを殺し、彼女の頭蓋骨を部屋に飾っていた。

フューリー
ザディストの双子の兄? 弟? 赤ん坊のときにさらわれたザディストを探して幾星霜、やっとのことで助け出した際に片脚を失った。
双子の片割れのためなら命も惜しくないという姿勢は痛々しいほど献身的であるが、自分だけが幸せな子供時代をおくった後ろめたさからくる共依存、という見方もできないことはない。
改心したザディストに「俺はもう自虐的なことはやめる。フューリー、お前も俺から自由になって幸せになってくれ」と言われ、それが直接的な理由でないにしろ鬱になり、あやうくジャンキーになりかけた。
ジョンから"You are in prison with no bars."と言われるほど、ただ今精神的に不安定。早くザディストから自立しようね、フューリー。J.R. WardのHPによると、フューリーの巻も予定されているようですから、しっかり立ち直って幸せをつかむ彼を見る日がくることでしょう。

ミスター・O
ゼロじゃなくてオーです。念のため。(笑)姓がオーモンドだったかな。(覚えてない^^;)
亡き妻に似ているベラに執着し、拉致監禁。ベラを妻と呼び、擬似ドメスティックバイオレンスのかぎりを尽くした。彼女のお腹に"DAVID"と、自分の名前を彫った変態レッサー。
トーメントの最愛の妻ウェルシーを殺し、ジョンの初恋の相手サレルを殺した。クライマックスはザディストとの一騎打ち。
あわやザディストを殺す……ところでベラに「デイヴィッド、こっちへ来なさい!」と命令され、彼女にすがってしくしく泣いたところで銃で撃たれ、最後は短剣で刺されて消失。
完全にリマ症候群に陥っていた模様。

トーメント
ブラック・ダガー・ブラザーフッドのリーダー。
メンバーのなかでただひとり1巻から幸せな結婚生活を送っていたが、この巻で妊娠中の妻ウェルシーをレッサーに殺され、悲しみのあまり心の平衡を失って行方不明に。
トーメントの巻も予定されているらしいので、彼がどうなるかは今後のお楽しみ。

ジョン
transition前のヴァンパイア。検査をしたところ、どうやらダリウスの息子らしいとわかったが、実は……?
トーメントとウェルシー夫妻に引き取られ、実の親子のように暮らし始めた矢先、ウェルシーが殺されるという悲劇に見舞われる。悲しみに狂うトーメントに声にならない声で「お父さん、お父さん」と呼びかける姿は哀れであった。保護者を失い、今後はブラザーフッドの館で暮らすことになる。

********************************

いよいよ対レスニング・ソサイエティ、戦士育成クラスがスタート。
transition間近(おそらく20~25歳くらい)の、戦士の家系出身の男の子たちが集められ、ブラザーフッドたちから戦うための理論や訓練を受けます。
20~25歳で男の子というのは変じゃないかと思われるかもしれませんが、transition前のヴァンパイアは心身ともに完全に子どもです。人間の15~16歳くらいの印象を受けました。
戦士育成プログラムは、transition前から始めてtransition後、変化した体がスムーズに動くようになるまで受講の予定。うまくいけばブラザーフッドに仲間入りし、種族を守るという名誉が待っています。
ジョンもがんばってクラスに参加しています。今のところ、努力が結果に結びついていないようですけれども。
ところでレッサーが一般ヴァンパイアを拉致する方法ですが、酔って路上でへべれけになっている若者を拾ってくる、または娼婦を殺して建物の陰に血だらけのまま放置し、血の臭いに誘われてふらふらとやってくる悪食ヴァンパイアをさらう……のパターンが結構あるんですよ。戦士育成クラスもいいけれど、「正体がなくなるまで酔ったらあかんよ~、拾い食い(この場合は拾い飲み?)したらあかんよ~と、一般ヴァンパイアの教育もしたほうがいいんじゃないでしょうかねぇ。^^;

さて、フューリーとザディストの兄弟愛(これ、2番めのみどころ)、拉致されたベラの救出劇、ジョンの初恋、妻を亡くして行方不明になってしまったトーメント等々、エピソード盛りだくさんな3巻ですが、なんといっても1番のみどころはフューリーをして"He is not broken, he is ruined."と言わしめたザディストの再生でしょう。
虐待されたために徹底的に自己評価の低い彼は、自分を汚いもの、生きる価値のないものと考えているので、フューリーから鞭で打ってもらう自虐行為に走ったり、ヴァンパイア女性から血を飲まず、人間の娼婦から血を飲んだりしています。
ベラに自らの血を飲ませることになったとき、「俺は汚い。こんな汚い俺に流れる血をベラに飲ませるわけにはいかない」と腕が真っ赤になるまで狂ったようにごしごしと洗う彼の姿はとても悲しいものでした。
そんな彼が、ベラとの関係を通して少しずつ少しずつ薄皮をはぐように立ち直っていく過程には、胸を締めつけられます。
そしてこのままではいけないと自ら悟り、自虐行為をやめ、チョーズン(巫女)に頼んで栄養のある血を飲んで体調を整え、メアリーから字を習いはじめます。
ああ、「健気」という言葉はザディストのためにあるようだわ。
ラスト、ザディストのベラへの愛を告白するシーンは、読者のハートをがしっとわしづかみ! J.R. Wardの筆致が冴え渡ります。
読者サービスのエピローグもお楽しみに。オメガの正体は明かされず、レスニング・ソサイエティとの戦いはまだまだ続いて決して予断は許されませんが、ザディストに関してはもう安心です。

********************************

needing
今回のキーワードはneeding。
transitionを迎えて5年後に1回め、それからは10年に1度の割合でヴァンパイア女性のみに訪れるホルモン全開の日。約2日間続きます。貴重な妊娠可能期間で、この期間以外には妊娠しません。
激痛にのたうちまわるほどの性欲に襲われるため、恋人や夫のいる場合はともかく、そうでない女性には悪夢の体験となります。激痛を抑えるためには、モルヒネ等の強い薬で体を鎮静させるしかありません。

拉致から救出され、ブラザーフッドたちの住む館に匿われたベラが、初めてのneedingを経験するのですが、そりゃもう、たーーーいへん。
ベラのヤル気マンマン!な波動が、別の部屋にいるブラザーフッドたちにびんびん伝わってくるのだ。ホルモンに本能を刺激されて、反応しない男がいるだろうか? いや、いな~いっ! ってなもんです。^^;
ラスとレイジはいい。それぞれ決まったお相手がいて、解消できるから。^^;
窮地に陥ったのは、一人身のフューリーとヴィシャス。まさか、ベラに飛びかかるわけにはいきませんからねぇ。館から出てホルモンの波動が届かないところへ行けばいいようなものですが、折悪しく昼間で、外は太陽が燦々と輝いているため出られない。
それで、2人で一緒に酒とレッド・スモーク(麻薬ではないけれど、それに近い、かなりきついたばこ……だと思う^^;)びたりになって体と頭を麻痺させ、よからぬことを(笑)しないように部屋でおこもり。
ザディストは――
はい、ザディストはもちろんベラの苦痛を和らげるという任務(笑)につくわけですが、虐待を受けたせいで人から触れられるのが耐えられない彼にとっては、大きな試練。
でも、この試練はベラの苦痛を和らげるとともにザディストの心の傷を癒し、セックスに対する嫌悪感を払拭するいい機会となりました。

ちなみに、ヴァンパイア女性の妊娠期間は18ヶ月。(長いな~) 流産、妊婦の産褥死の確率は非常に高く、非常に危険なものとして認識されています。
transitionの失敗による死亡率もかなり高い。特に男性は生き残りが厳しいようです。3巻でも、transitionで死んだジョンのクラスメートの話がちらりとでてきました。

追加
レッド・スモークはどうやらマリファナを詰めた葉巻きタバコらしい……。
いかんなー。これじゃジャンキーだわさ。(ーー;)


運命を告げる恋人 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション) (二見文庫 ウ 7-3 ザ・ミステリ・コレクション)運命を告げる恋人 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション) (二見文庫 ウ 7-3 ザ・ミステリ・コレクション)
(2009/10/20)
J. R. ウォード

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順調に翻訳されてますね~。

ジャンル : 本・雑誌
テーマ : 洋書

Comments(2)   Trackbacks(0)

Comment

りん URL
私は今この本が好きです。でも日付を見ると、今頃ですね。日本語版の文庫が出るのが原作に比べ遅いのが不満です。私はここまでの3巻を文庫で読みましたがこのザディストの本が一番好きです。
日本語版もセリフの翻訳がけっこう味がありますよ。私の好きなセリフは「うわっベラのおふくろさんだ」です。ベラとベラの実家にあいさつにいくところです。ザディストが心で「うわっ」とか言っていると思うとかわいいです。
このシリーズ(原書)は、本屋さんの棚でいうと、どんなジャンルのところに置いてあるのですか?カテゴリーがわかりません。
まほろばさんの文章が面白くてとても参考になっています。一言コメントしたくなりました。
2009年11月10日 (Tue) 12:57
まほろば URLEDIT
りんさん、こんばんは♪ コメントありがとうございます。

> このシリーズ(原書)は、本屋さんの棚でいうと、どんなジャンルのところに置いてあるのですか?

えーっと、どこに置いてあるんでしょう? ^^;
わたしは原書はほとんど amazon.co.jp か、紀伊國屋書店BookWeb で購入するので、実際の本屋さんでどう置かれているのか残念ながら知りません。
お役に立てなくてごめんなさい。
――と書いたところで、ずっと前に東京へ遊びに行ったとき、お友達に連れていってもらった洋書の本屋さんを思い出しました!
ジャンル分けはしていなくて、作家の名前のアルファベット順で並んでいたような記憶が……(自信がない (^^ゞ)

> まほろばさんの文章が面白くてとても参考になっています。

そう言っていただけると、うれしいです~♪ (^^)
2009年11月10日 (Tue) 18:34














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