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And Only to Deceive/Tasha Alexander

And Only to Deceive (Lady Emily)And Only to Deceive (Lady Emily)
(2006/10/10)
Tasha Alexander

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Lady Emily シリーズ 1
今のわたしの生活を見て。独立して使用人を抱え、自分のお金を自分で管理している。やりたいことはほとんど何でもできるのよ ―― レディ・エミリー
死んだご主人に恋してはだめよ。そんな恋はあなたに何の喜びももたらさないから ―― マダム・ドゥラック
ヒストリカル ヴィクトリア時代 ミステリ ロマンス少々
まほろば的評価 ★★★★
ブロムリー伯爵家の一人娘レディ・エミリーは、社交界デビューした最初のシーズンでアシュトン子爵フィリップと出会い、婚約、結婚。そして、半年後には未亡人となった。
喪に服して1年半が過ぎ、亡き夫の日記を手にしたエミリーは驚きの事実を知る。
生前はよく知らなかった、そして知ろうともしなかった夫の人となりを、エミリーは遅ればせながら理解していく。

地味だけれど上質な物語を読んだなぁ、と大満足。
大満足のわりに★4つなのは、ちょっと話の進行がゆっくりでまどろこしく感じられたから。でも、それはわたしがジェットコースター式展開に毒されているせいかも。^^;
話の柱は2つ。
ひとつは「レディ・エミリーの心の成長」。もうひとつはロンドン美術館の「古代ギリシャ・ローマの遺物贋作事件」です。

1.レディ・エミリーの心の成長
精神的にも、知的にも、経済的にも、依存する「天使」になること。(岩田託子・川端有子(2004). 英国レディになる方法 河出書房新社)
これが19世紀上流階級に生まれた女の子の目指すべき理想のゴールでした。
伯爵令嬢レディ・エミリーもその例外ではなく、貴族の因習にがんじがらめになって育ち、やがて社交界デビュー。母親の凄まじい「早く結婚しろ」攻撃に耐えかね、家を出たい、ただそれだけの理由で最初にプロポーズしてくれたアシュトン子爵フィリップと結婚します。
しかし、わずか半年でフィリップは病死。子供もいないまま未亡人に。
で、この未亡人というのがミソなんですね。未婚のときは「親」、結婚すれば「夫」という重しがなくなり、自立する自由を知ってしまいます。
フィリップは財産家だったので彼の死後も生活に不自由はなく、かくして読書好きの眠り姫は、2年間の喪中のあいだに経済的に自立した思慮深い大人の女性へと目覚めるのでした。(とはいえ、このとき20歳になるやならずの若さ)
夫とはいえ見知らぬ人同然だった男性の死に涙は一滴も出ず、後ろめたさを感じていたエミリー。
精神的に大人になった今、夫の残した日記を読み、夫の友人たちの話を通じて、徐々に夫がどんな人間だったのか知るようになります。

2.古代ギリシャ・ローマの遺物贋作事件
財産家のアシュトン子爵フィリップは、古代ギリシャ・ローマの遺物の収集家であった一方、貴重な遺物は公共のものであるべきだという信念のもと、ロンドン美術館に多くの作品を寄贈していました。
でも、エミリーは美術館に展示されている品々がことごとく贋作であることを偶然知ってしまいます。
そして本物は、なんとダービシャー州にあるアシュトン子爵家の本邸、アシュトン・ホールに保管されていました。
亡き夫は贋作を本物と偽ってロンドン美術館に寄贈するような偽善者だったのか? そもそも遺物は正規のルートで手に入れたものだったのか?
エミリーは、贋作の謎を解くことを決意します。

それから、メインではありませんがロマンスがちょっぴり。
フィリップの親友だったミスター・コリン・ハーグリーヴスが、たまにご機嫌伺いにエミリーを訪れます。
爵位は持っていないけれどハンサムでお金持ち。きれいなだけのお人形さんから自分の意見を持つようになったエミリーを好ましく思う、19世紀の男性としては進歩的な人です。
仕事と称してしょっちゅう旅行していますが、何をしているのかエミリーが尋ねてもうまくはぐらかしていまうので結局???のまま。
本巻では登場場面が少なくてロマンス好きのわたしとしてはちょっと不満でしたが、2巻以降はもっと活躍してくれそうなので今後が楽しみです。

作者のターシャ・アレクサンダーは取材もきちんとしているようで、19世紀イギリス社交界やロンドン、パリの様子は上手に書かれているし、ルノワールやリットン卿など実在の人物もちらほら登場します。
いい作品に出会えてうれしい♪
これからゆっくりシリーズ制覇していきたいと思います。

〈参考〉
ヴィクトリア朝になって亡くなった家族を送る葬儀と故人への想いは異常な高まりを見せた。-略- とりわけ未亡人は厳密な服喪の決まりに従って、服喪の第一期間ないし正式服喪期間に始まり、半服喪期間をへて最後の略服喪服期間にいたる三期を守った。
Kristine Hughes(1998). The Writer's Guide to Everday Life in Regency and Victorian England Cincinnati, Ohio: Writer's Digest Books(クリスティン・ヒューズ 植松靖夫(訳)(1999). 十九世紀イギリスの日常生活 松柏社)

やがて喪は明ける。-略-
男女関係にしても、これまでの夫と妻、家庭の天使としてとは異なる関係を築けるのではないか、女どうしでも、友人としてや社交以外にも、関わり方があるのではないか。これまでとは違う衣服を身につけ、これまでとは違う時間をすごす。読んだことのない本を読み、学びたいことを学ぶ。-略-
未亡人となって、もう一つの人生を歩むことができそうだ。アルプスにだって登るかもしれない。
(岩田託子・川端有子(2004). 英国レディになる方法 河出書房新社)

ジャンル : 本・雑誌
テーマ : 洋書

TAG : LadyEmily
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