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Icebreaker/Deirdre Martin

Icebreaker (Berkley Sensation)Icebreaker (Berkley Sensation)
(2011/02/01)
Deirdre Martin

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NYブレーズ・シリーズ 8
変えなければならないもの、変えてはいけないもの
コンテンポラリ アイスホッケー
まほろば的評価 ★★★★★★★★★★

今季NYブレーズの新しいキャプテンとしてトレードされてきたアダム・ペリー、34歳。
プロになって17年、NHL随一のハードヒッター・ディフェンスマンと恐れ敬われてきた選手でありながら、まだ一度もスタンレーカップを手にしたことがない。年齢的にもNYブレーズに移籍した今が最後のチャンスと腹をくくってのシーズンインだ。
だが、ボディチェックで倒した選手が頬骨を骨折し脳震盪をおこした件で、アダムは地方検事から暴行罪で告発されてしまう。
起訴となって試合に出場できなくなることだけは避けたい。全面的にアダムを支援するNYブレーズは、優秀な弁護士と評判のシニード・オブライエンに事件を依頼する。
シニードは最初こそ「頭が空っぽのホッケー馬鹿」とアダムのことを内心揶揄していたものの、人となりを深く知るにつれ心から尊敬の念を抱くようになる。
やがてその尊敬の念は愛情に変わり……。

今季のNYブレーズ
GM:タイ・ギャラガー(シリーズ1
ヘッドコーチ:マイケル・ダンテ(シリーズ2
キャプテン:アダム・ペリー(本作のヒーロー)
副キャプテン:ジェイソン・ミッチェル(シリーズ5

明るく元気、軽快なストーリー運びが特徴のシリーズ1~7とは打って変わり、この8は「えっ、これ本当にディアドリ・マーティンが書いたの?」というくらいシリアスです。(前巻のヒーロー、エリックが結構チャラかったんで、よけいにそう思うのかも ww)
ヒーローのアダムは古武士の風格漂う不言実行型。何でもないように振舞っているので周囲の人々は見逃しがちですが、実にさまざまな重荷を背負ってじっと耐えています。寡黙で威圧感たっぷり、とっつきにくい見かけに隠れた彼の寛大さ、優しさ、家族思いで子供とお笑い番組が大好きなことは、ごく少数の親しい人しか知りません。
選手としてのアダムとプライベートでのアダムのギャップがとても魅力的に描かれ、わたしゃ惚れましたよ。完全にノックアウト
告発事件は、アダムのプレイスタイルに端を発しています。
彼の得意技は激しいボディチェック。脳震盪で倒れた敵方選手は数知れず。でもそれはあくまでもルールに則ったもので、アダムを悪く言う選手はいません。世間では「先祖がえり」「古き良き時代のホッケーをする人」と尊敬の念をこめて呼んでいます。(でも裏を返して言えば、かなり荒っぽいプレイなんだろうな……ははは ^^;)
告発に対しては、NYブレーズもNHLのお偉方も100%アダムを支援……のはずでしたが、NHLが曲者だったんですねぇ。表向きはアダムの味方をしながら、
裏では激しいプレイは控えろとプレッシャーをかけてきます。
NHLはプロ・アイスホッケーのクリーンなイメージを作り、男性だけでなくたくさんの女性や子供に試合を観にきてもらいたいんですね。ハードヒッターのアダムのプレイは女子供には向かない。新しいホッケーを目指すNHLにはアダムの古いプレイスタイルは目障り、集客の邪魔にしかならないというのが本音なんです。
もちろんアダムはNHLの圧力に屈したりはしません。
命令を無視されたNHLのコミッショナーは、審判に手を回してアダムを狙い撃ちさせます。
そのため、彼の試合での定位置は、ペナルティーボックスになってしまいます。(T_T) ルール変更をしていないのだから普通ならペナルティーになるはずのないプレイでも、ことさら審判はアダムに対して厳しく取り締まります。あううぅ。(T_T)
NYブレーズのみんなは、迫力に欠けたアイスホッケーに何の面白みがある? 前にもNHLのお偉方はアイスホッケーを腑抜けたスポーツに変えようなんて馬鹿なことを考えたが、今度もまたそれをしようとしている。そんなこと許すものか! と一致団結してシーズンを戦っていきます。
検事から暴行罪を告発され、NHLからはスケープゴートにされかかるアダムを、法的な面から見事守り抜くのが本作ヒロインのシニード。
NHLのコミッショナーを呼び出して、「アダムをいじめたらひどい目に遭わせるからね!」(いや、実際はもっと冷静に、法的に話をしたんですけどね)と脅しをかけた場面はとても格好よかったですよ (^^)v
まだ32歳だというのに高血圧と偏頭痛を患うほど出世街道をひた走るワーカホリックの彼女は、クライアントであるアダムと付き合うことに躊躇します。事務所で唯一の女性パートナー弁護士として、性差別と戦いながらキャリアを追求していくうえでアダムとの関係がぎくしゃくする――このあたりの葛藤は作者の腕の見せどころだと思うのですが、むずかしいですよね。加減が。
キャリアを犠牲にするのはイマドキ問題外としても、かといってフェミニズムをあからさまに前面に押し出されてもちょっとついていけないし。^^;
わたしはアダムに惚れこんでえこひいきしていますので、シニードの対処の仕方にはちょっぴりムムム……となってしまいました。

アイスホッケーへの愛をたっぷりこめ、かつ冷静な目を失わずに本作を書いたディアドリ・マーティン。
彼女は、アダムに語らせています。
「集客を狙ってアイスホッケーを体裁よく整えようとするNHLに、古参の選手たちはうまく適応することを学んでこなければならなかった。だが、上層部は悟るだろう。アイスホッケー市場は決してバスケットボール市場のように大きくはなれないと。子供のころからホッケーに親しんでプレイする人は、アメリカでは決して多くはない。それにルールをあまり大きく変えてしまうと、古くからのファンを失ってしまう」
それでもさまざまな人々の思いとともに、アイスホッケーは変わっていきます。そしてアダムとシニードもより満足のいく人生を送るために、生き方を変えていきます。
古いものと新しいもの、その対比が巧みに描かれた本作は読んで大満足のスポーツロマンスでした。
アイスホッケーのファンはもちろん、そうでない方にもぜひ読んでいただきたいです。

さて、本作で取り上げられているNHLのルール改正について。ファン歴の長いことのさんに熱く語っていただきました。(special thanks to ことの)

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アイスホッケーは確かに人気がありますが、あくまで「アメリカで第四の人気スポーツ」なのです。
アメリカではまずアメリカン・フットボール、続いてベースボール、バスケットがほぼ同じぐらい。そこから差があいてアイスホッケー。
特にアイスホッケーは、女性や子供という集客では昔から苦戦しているのは周知の話。
ゆえに何度も、試行錯誤の末にルール改正が成されています。昔はキッキングとかハッキングとか、もっと派手にやっていてもスルーされていました(笑)。おかしいですよね? NHLは、「よりエンターテイメント性を高める」という意味合いで、ゴールのサイズも、ゴール裏のルールも国際ルールよりもより過激なものに則しているのに(^^;
ここ数年は、例のサブプライムショック等もありスポンサー探しも大変なので、必然的に今まで鉄板であったスポンサー以外のものが名乗りをあげてきています。
そういう金銭的しがらみも影響が大きいです。
子供や女性をターゲットにしている企業がスポンサーになったら、それはその作品に出てくるエライさんではありませんが「金ヅル」の為にラフプレイに対し自重を促すでしょう。
男性用デオドラントやら、下着とかのメーカーなら何ともなかったんでしょうがね・・・はっはっは(^^ゞ
選手は、ルール改正や基準変更によるファウルの違いに沿ったプレイをするしかありません。
日本のプロ野球でも「より観客に分かりやすく、観客にスピーディな試合を見てもらうため」と称して、昨年あたりから投手に15秒ルール等を課したりしているんですよね。
それだから、投手もそのルール内に納める為に投球をアレンジしたりしてます。
投手たちはやりにくい、自分のプレイが出来ない等、最初はブーイングだらけでしたが、既に決定したものは仕方ないです・・・我慢してやってます。
そんな風に「ここまでやったらペナルティ!」っていう新指針ありき、で、それに引っかからないように今までのプレイをアレンジするしかありません。
完全にルールや、それ以上に「世の中」に影響されまくりながらプレイしているのですよ。
それは、古参選手にはきっと牙を抜かれた狼のように見えるでしょう。
しかも「氷上の格闘技」と呼ばれているアイスホッケーだから尚更。
私がアイスホッケー見初めて既に15年ぐらいたちますが、随分おとなしくなりましたよー、実際。
時代が変わっていってるように、スポーツも変わってきています。
特にナントカの格闘技、とか呼ばれているスポーツばかり好んでいる私からすると、「あー、昔はもっと派手にやってたのに!! ヤワになったな」みたいな(笑)。
だから実によく分かります、その作品で断固、ヒーローを守ろうとするチーム側の意見が。
ただ、哀しいかな、時代はそれを許してはくれないでしょう。
しかしリアルですね、その切り口は。
関係者ならともかく、リサーチだとしたら素晴らしいものです!!

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これで短編をあとひとつ残して、既存のシリーズをすべて読んでしまいました。寂しい……。
来年にまた新刊を出してくれるかなぁ、出してほしいなぁ。

ジャンル : 本・雑誌
テーマ : 洋書

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