この表紙がおもしろい(旧:読書記録)

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イングランドにおける称号――さあ、頭の体操だっ!

まほろばが理解している範囲での身分制度&称号の覚書き。
まちがってるよ~という箇所がありましたら、お知らせくだされば幸いです。

例にあげるのは、
ビューカッスル公爵家(姓:ベドウィン) & ホールミア侯爵家 by メアリー・バログ
セント・アイヴス公爵家(姓:シンスター)by ステファニー・ローレンス
ブリジャートン子爵家(姓:ブリジャートン)by ジュリア・クイン

●イングランドの貴族

上から順に
Duke   公爵
Marquess 侯爵
Earl  伯爵
Viscount 子爵(ヴィスカウントではなくヴァイカウントと発音)
Baron  男爵

長子相続。長男が爵位及び爵位に伴う領地をすべて相続、独り占め。^^;
息子がいない場合は、弟または甥が相続。
後継ぎである長男は heir apparent 、長男がおらず後継ぎとなっている弟または甥は heir presumptive と呼ばれる。ただし、heir presumptive は heir apparent に許されている courtesy title を名乗ることはできない。
(courtesy title については後述)
例)
エイダンは、ウルフにジェームズが生まれるまでビューカッスル公爵家の heir presumptive だった。しかし、リンジー侯爵の肩書きはなし。

●領地名、姓名、爵位名

公爵  爵位名は土地に由来。姓とはまったく関係なし。
侯爵  爵位名は土地に由来。姓とはまったく関係なし。
伯爵  爵位名は土地に由来することもあり、姓に由来することもあり
子爵  爵位名はほとんど姓に由来
男爵  爵位名はほとんど姓に由来
例)
・ビューカッスル公爵ウルフリック・ベドウィン
 作中に記述はないが、ウルフはビューカッスルという土地をどこかに持っているはず。
・セント・アイヴズ公爵シルヴェスター・シンスター
 シンスター家の人間は全員セント・アイヴスを通ってサマーシャムの館へ行く、という記述あり。
・ブリジャートン子爵アンソニー・ブリジャートン

●社交上の呼び方

公爵は Duke または Duke of 爵位名、公爵夫人は Duchess または Duchess of 爵位名。
侯爵から男爵はみ~んな Lord 爵位名、侯爵夫人から男爵夫人はみ~んなLady 爵位名
例)
ウルフは単に Duke、または Duke of Bewcastle。Duke of Bedwyn は×。
ウルフの妻クリスティンは Duchess または Duchess of Bewcastle。Lady Bewcastle は×。
ホールミア侯爵ジョシュア・ムーアは、Lord Hallmere。Lord Moore は×。妻のフレイヤは、Lady Hallmere。
アンソニーは Lord Bridgerton。妻のケイトは Lady Bridgerton。

親しい間柄では、爵位名のみで呼ぶこともあり。
デビルとチリングワース伯爵は、お互いに「セント・アイヴス」「チリングワース」と呼び合っていました。

●正式な呼び方

公爵と公爵夫人は Your Grace。
侯爵から男爵はみ~んな My Lord 、侯爵夫人から男爵夫人はみ~んなMadam。

●子供たち

・長男
公爵、侯爵、伯爵の父親が持っているセカンドタイトルを courtesy title として名乗る。courtesy titleとは、法的効力はないが儀礼、慣例的に許される称号。
例)
・セント・アイヴズ公爵シルヴェスター・シンスターの称号は上から順に、セント・アイヴス公爵、イーリス侯爵、ストラスフィールド伯爵、ウェールズバラ子爵――以下、続く
なので、息子セバスチャンの肩書きは、イーリス侯爵(Marquess of Earith)。セバスチャンが結婚して息子が生まれ、そのときにデビルが存命であったなら、デビルの孫息子はストラスフィールド伯爵(Earl of Strathfield)。
・ウルフのセカンドタイトルは本編では記述がなかったが、6巻のエピローグで息子ジェームズが Marquess of Lindsey と呼ばれている。つまり、ウルフのセカンドタイトルはリンジー侯爵。

子爵、男爵の長男は courtesy title はなし。
よって息子マイルズは、アンソニーが死んで爵位を継承するまでは、ただのミスター・ブリジャートン。

・次男から下
公爵、侯爵の次男以下は、Lord 名・姓、またはLord 名と呼ばれる。ただし、Lord 姓とは呼ばれない。
伯爵の次男から下、子爵、男爵の男子全員は、長男次男を問わず全員 Mr。
例)
公爵家の次男、エイダンは、Lord Aidan Bedwyn または Lord Aidan。Lord Bedwyn は×。ビューカッスル公爵家に Lord Bedwyn なる人物はいない。
妻のイヴは、Lady Aidan Bedwyn または Lady Aidan。

・娘
公爵、侯爵、伯爵の娘は、Lady 名・姓、または Lady 名。Lady 姓とは呼ばれない。
子爵、男爵の娘は Miss。
例)
結婚前、公爵の娘フレイヤは、Lady Freyja または Lady Freyja Bedwyn。Lady Bedwyn は×。
結婚前、子爵の娘ダフネは、Miss Daphne Bridgerton または Miss Bridgerton。

余談
『もう一度あなたを(Again The Magic by Lisa Kleypas)』のヒロイン、アリーンは、貴族ではないジョン・マッケナと結婚しましたが、伯爵家に生まれた娘として、結婚後もレディ・アリーンと名乗ることができます。


どうですか? 少しはヒストリカルを読む助けになったでしょうか?
それとも、よけいに混乱する原因になってしまったでしょうか? (笑)


追記(2009.01.12)
伯爵家において敬称がどうなっているのか、いい例を見つけたので追記

レッドフィールド伯爵家 by メアリ・バログ
家長は、レッドフィールド伯爵○○・バトラー(The Earl of Redfield)
後継ぎである息子のキットは courtesy title を名乗り、レイヴンスバーグ子爵クリストファー・バトラー(Viscount Ravensberg)
社交の場では、それぞれ Lord Redfield、Lord Ravensberg と呼ばれます。
3男シドナムは、 ミスター・シドナム・バトラー。(Mr. Sydnam Butler)
ビューカッスル公爵家の次男以下が全員 Lord Aidan、Lord Rannulf、Lord Alleyne と Lord をつけて呼ばれるのに対し、伯爵家の場合は、同じ両親から生まれた兄弟でも、後継ぎでないとただの Mr. なのでした。

※レッドフィールド伯爵の名前はでてこなかったので○○にしてます。


<参考>
Forms of address in the United Kingdom

これ、すごく参考になります。お勧め。

http://www.timesonline.co.uk/tol/tools_and_services/specials/style_guide/article986750.ece

http://knowledgerush.com/kr/encyclopedia/Life_peer/

http://www.members.shaw.ca/jobev/title.html

ジャンル : 本・雑誌
テーマ : 洋書

Comments(6)   Trackbacks(0)

Comment

西宮 URL ≫ EDIT
補足みたいなもの。
通りすがりにいくつかコメントをつけてみます。

> 侯爵  爵位名は土地に由来。姓とはまったく関係なし。

姓に由来する侯爵もあります。例:Marquess Townshend、Marquess Conyngham

というか、公爵、侯爵、伯爵は地名由来で称号に"of"が付き、子爵、男爵は姓由来で"of"が付かないのが一般的(例外もあり)といった感じで書いた方がすっきりするかも。

> 公爵、侯爵の息子全員、伯爵の長男までの男子は、Lord 名・姓、またはLord 名と呼ばれる。ただし、Lord 姓とは呼ばれない。

たぶん、ただの誤記でしょうけど「公爵、侯爵の次男以下は、~」ですね。公爵、侯爵、伯爵の長男はcourtesy titleで呼ばれます。

> 公爵、侯爵、伯爵の父親が持っているセカンドタイトルを courtesy title として名乗る。courtesy titleとは、法的効力はないが儀礼、慣例的に許される称号。

補足として、父親と同格の爵位は不可、同じ名の称号も不可。また、公爵、侯爵は孫以下も使えるけれど、伯爵は子だけのようです。

父親がcourtesy titleに使える爵位を持たないときは、長男はLord 姓を名乗ります。

例: The Earl of Devon - Lord Courtenay , The Earl of Guilford - Lord North

姓が他の男爵とかぶるときなどは、Viscount 姓として混同を避けたりもします。

例:The Earl of Huntingdon - Viscount Hastings , The Earl Castle Stewart - Viscount Stewart

> 伯爵の次男から下、子爵、男爵の男子全員は、長男次男を問わず全員 Mr。
> 子爵、男爵の娘は Miss。

一応、"The Honourable" 名・姓と書いておいた方がいいかなあ、と思います。ただのMr.やMiss.ではないですし。

> 家長は、レッドフィールド伯爵○○・バトラー(Earl of Redfield)

儀礼称号との区別のために、ここでは"The Earl of Redfield"と書いた方がいいかなあ、と思います。

> レイヴンスバーグ子爵クリストファー・バトラー(Viscout Ravensberg)

単なる誤記ですが、”Viscount"。
2009年06月04日 (Thu) 13:46
西宮 URL ≫ EDIT
あれ
改行が全く反映されていない(^^;

読みにくくてどうもすみません。
2009年06月04日 (Thu) 13:49
まほろば URL ≫ EDIT
コメントありがとうこざいます <m(__)m>
西宮さん、いろいろと補足をありがとうございます。
感謝、感謝です。

公爵、侯爵の息子全員というのは、すぐその前に「次男以下」という文を書いたので「次男以下の息子全員」というつもりだったのですが、紛らわしい書き方ですね。
ということで、直しました~。

> 補足として、父親と同格の爵位は不可、同じ名の称号も不可。また、公爵、侯爵は孫以下も使えるけれど、伯爵は子だけのようです。
> 父親がcourtesy titleに使える爵位を持たないときは、長男はLord 姓を名乗ります。

この2点は、まったく知りませんでした。
わたしは「ビューカッスル公爵家に Lord Bedwyn なる人物はいない」と書きましたが、もしもほかに爵位がなかったら、長男は Lord Bedwyn なんですね。なるほど~。

The Honourable の件は、本当に正式な場面以外ではめったに使わないとどこかで読んだのと、ロマンス小説ではほとんど出てこないので省略してしまったのでした。(^^ゞ

> 儀礼称号との区別のために、ここでは"The Earl of Redfield"と書いた方がいいかなあ、と思います。

ここは、定冠詞を軽んずるというわたしの悪い癖がでていますね。(>_<)
質問をさせていただきたいのですが、儀礼称号だと the はつかないということでいいのでしょうか? 
通りすがりと書いていらっしゃいますが、もし、もう一度ここにいらっしゃってコメントを書くお時間がありましたら、お答えくださるとうれしいのですが……。
2009年06月04日 (Thu) 19:59
西宮 URL ≫ EDIT
"The"
> わたしは「ビューカッスル公爵家に Lord Bedwyn なる人物はいない」と書きましたが、もしもほかに爵位がなかったら、長男は Lord Bedwyn なんですね。なるほど~。

使える爵位がないケースもそうですが、単純に称号が姓に由来しているためにLord 姓みたいに見えることも多いです。公爵家だとさすがに子がLord 姓の形になるのは珍しく、The Duke of Somerset(Lord Seymour-男爵位1つしかない)、The Duke of Northumberland(Earl Percy)、The Duke of Westminster(Earl Grosvenor)くらいですが、孫や曾孫の代になると現在の姓に由来する子爵位や男爵位が登場することもしばしばです。有名どころではThe Duke of Devonshire(Lord Cavendish)、The Duke of Marlborough(Lord Churchill)、The Duke of Wellington(Viscount Wellesley)あたりでしょうか。

#だから、もしかしたらThe Duke of Bewcastleも孫か曾孫の儀礼称号はBaron Bedwynで、"Lord Bedwyn"と呼ばれるべき人なのかもしれませんね(笑)<作品を全く知らずに適当なことを言ってみる

いずれにせよLordの後に名が来ない呼び方は、爵位を有する貴族とその後継者専用なので、公爵や侯爵の次男以下に使うと間違いなのはたしかです。逆にLord/Ladyの後に名が来る名乗りは生まれの高さを示している(特にLady)ので、婚姻でLadyの称号を得た人をLady 名で呼ぶのも同様に間違いです。"Princess Diana"なんてのも間違いの代表例ですね(^^;

> 質問をさせていただきたいのですが、儀礼称号だと the はつかないということでいいのでしょうか? 

そういうことです。現に爵位を有する人と将来の継承者との区別は定冠詞の有無で示されます。だから、うっかり"The Viscount Ravensberg"と表記すると、父親の方を指してしまいます。

爵位は正式には敬称が付き、"The"はそれを省略したものなので、実際に爵位を有する人にだけ用い、儀礼称号として借りているだけの人にはつかないということのようですね~。

#公爵は"The Most Noble"、侯爵は"The Most Honourable"、伯爵、子爵、男爵は"The Right Honourable"

あらためて調べてみると、細かな違いで識別しているんだなあ、と感心します(笑)
2009年06月05日 (Fri) 02:45
まほろば URL ≫ EDIT
The にそんな意味が隠されていたとは!!
"The Most Noble" "The Most Honourable" "The Right Honourable" ですか。すごく勉強になりました。 本当にありがとうございます。
ということで、レッドフィールド伯爵に The をつけました~。

> 細かな違いで識別しているんだなあ、と感心します(笑)

本当に、涙ぐましいほど細かい違いを作ってますよねぇ。
しかも実際にはこのイングランドに加え、スコットランドや北アイルランドの貴族もいるわけで……
めまいがしそうです。(笑)
2009年06月05日 (Fri) 21:31
まほろば URL ≫ EDIT
ちゃんと読んでない(苦笑)
わたしが<参考>にあげた一番最初のサイトに

Eldest sons of dukes, marquesses and earls use their fathers' highest secondary titles as courtesy titles: note the absence of "The" before the title.

と、しっかり書いてありますねぇ。
ちゃんと読んでないのがバレバレだ。(^^ゞ
人に質問する前に、ちゃんと読めよ。>自分

西宮さんの解説のあと改めてサイトの説明を読むと、押さえておくべきポイントがよくわかりました。
ありがたや、ありがたや。
2009年06月05日 (Fri) 21:45














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